Sara Ohgushi, ND LM
Naturopathic Physician
and Midwife
 
  
 
 
 
 
 

子供の中耳炎

文責  大串サラ ( 自然療法医・助産師 米国オレゴン州ポートランド )

質問 : 私の 2 歳児がまた中耳炎にかかって抗生物質のお世話になっています。何か他に治療法はないのですか?

答 え : 多くの人々が同じ悩みを持っています : 米国では毎年 2500 万例が中耳炎と診断され、大多数は抗生物質による治療を受けています。小さな子供さんが中耳炎になりやすいのは、幼児の耳の構造のためです:すなわち、中 耳と喉を結ぶ小さな耳管がほぼ水平になっています。この周辺に少しでも腫れがあると耳管が閉じてしまい、中耳内によどみができてウィルスや細菌が繁殖しや すくなります。抗生物質で細菌を殺せても、よどみが残っている限りまた別の微生物が繁殖する可能性が高くなります。さらに悪いことに、この新手の微生物は 最初の抗生物質に耐え抜いた強力な、たちの悪い病原体であることが多いのです。

さまざまな抗 生物質を投与しても今ひとつ治癒しない場合、外科的に鼓膜を通して小さな管を挿入し、たまった液体を抜き取りましょうということになります。この治療法に はしかし問題があって、管の挿入により細菌が侵入したり、傷ができて聴力が劣化したりすることがあります。たとえうまくいってもこれはせいぜい6ヶ月程度 の短期的な解決法にしかなりません。やがて鼓膜が癒えて管を押し出してしまうからです。

中耳 炎の 3 分の 1 は非細菌性 ( 多分ウィルス ) であり、また 80~90% は自然に治ることが各研究により示されています。主流派の医師の間でも、中耳炎には抗生物質が過剰に使用されており、抗生物質への耐性の問題につながって いることが認められています。抗生物質は、脳膜炎のような命に関わる病気のためにとっておきましょう。殆どの中耳炎は不快ではあっても命に関わるようなこ とはありませんし、抗生物質のほかにも効果的な治療法がたくさんあります。

中耳炎は、お子さ んの風邪の後期に鼻水が粘液性になって耳管をつまらせやすくなったときに生じるのが普通です。このときお子さんに熱があることもあり、ないこともありま す。また自分の耳を引っ張ったり、むずかったり、眠れなかったりします。医師が耳をのぞくと、鼓膜が赤かったり、膨れていたりします。始めは片方でも、や がては両方の耳が感染するのが普通です。多くの子供たちは知らない間に中耳炎にかかり、自然に治癒します。

急 性の中耳炎に対する自然医学的な治療法の例として、耳オイル (ear oil) を挙げることができます。これは健康食品店で入手可能です。就寝前および昼寝前に、スポイトを蛇口の温水で暖めてからお子さんの耳に2,3滴入れてあげて ください。オイルが痛みを和らげ、配合の薬草が細菌感染を抑えます。(一般にこれは極めて安全な療法ですが、鼓膜に穴があいている時は耳オイルを耳に入れ ないでください。耳に管が挿入されている場合も同様です。血液や膿が出てきている場合は耳オイルを使わないでください。疑問があるときは医師に耳を見ても らってください。)耳オイルは鼻詰まりがあるときに中耳炎の予防に使うこともできます。また、飛行機で旅行するときは圧力の変化により中耳炎が起こりやす いのでその場合も予防的に使うことができます。

感染している領域への血液循環を増やすため に、熱い湿布 ( 濡らしたタオル ) と冷たい湿布を交互にお子さんの耳にあてがってください。理想的には、温湿布を3分間の後で冷湿布を30秒間というセットを3回繰り返してください(少し でもやれば効果はあります。お子さんはそれほど長くやらせてくれないかもしれません。)熱いと新鮮な血液が流入し、冷たいと血液が押し出されます。これに より血液の出入りが促進されます。湿布をした後で、耳の下のリンパ腺のところをなでると、リンパ液の排出を促進することができます。先月の記事で書いた 「濡れ靴下(先月は「温靴下」と訳しています)」療法 も効き目があります。 最後に「耳のエクササイズ」をやってください。これは、一日数回、お子さんの耳をいろいろな方向に数回ずつやさしくひっぱることで耳管を開きやすくするエ クササイズです。

Tylenol などでお子さんの熱を下げたいという誘惑には抵抗してください。 主流派の小児科の教科書にさえ、発熱は有益であると書かれています。細菌は熱で死ぬのに対して、免疫系は熱があるときのほうが効果的に作用します。また発 熱は摂氏 41.7 ~ 42.2 度(華氏 107 ~ 108 度)に達するまでは身体に恒久的な損傷を起こしません。 お子さんに汁気のものをたくさん飲ませてあげて下さい。しかし発熱中は消化力が弱くなるので、あまり食べなくても心配ありません。しかし高熱(華氏 102~103度以上、摂氏38.9~39.4度以上)が2,3日以上続く場合、あるいはお子さんの首が凝っていたりどうも様子がおかしいといった場合 は、医師に連絡してください。重病による発熱であることも考えられるからです。

慢性の中耳炎 の場合、食べ物に対するアレルギーや敏感性が原因であることが多いです。母乳は中耳炎を防ぎます。実際、最初の中耳炎は乳児用ミルクや固形物を食べ始めた 後に起こるのが普通です。乳製品が犯人であることが一番多いです。子供の中耳炎の多くは乳製品を食べないようにするだけで治ってしまいます。柑橘類、小 麦、ピーナツ、トウモロコシ、大豆などが犯人であることもよくあります。まずこれらの食品全てを3~4週間排除して、それから一品目ずつまた食べ始めるの が良い作戦です。同時に、砂糖と加工食品を控えるようにしてください。また、お子さんがタバコの煙に曝されないようにしてください。タバコの煙は中耳炎を 含む多くの健康上の問題とのつながりが指摘されています。

私が急性または慢性の中耳炎を治療 するときは、上記の一般的な療法に加えてもっと個別の療法も使います。ホメオパシーはそのお子さん固有の症状に基づいた特異的な治療を行います。すなわ ち、無気力か、落ち着きがないか? めそめそしているか、甘えたがるか? 喉が渇くか否か? といったことです。ホメオパシーの薬を正しく選ぶと、殆ど魔 法のように数時間、ときには数分のうちに効果が出てきて身体の自然治癒をうながします。私は、お子さんが急性の病気でないときに体質的ホメオパシーを使い ます。これはそのお子さんが持っている身体的、精神的、および感情的な不平衡を治療するためです。中耳炎になりやすい傾向もこうした不平衡の一つです。

注記 : 本稿は直接的な医療アドバイスの代わりにはなりません。詳細については大串サラ( sao@imagina.com ) までお問い合わせください。また、電話( 503-703-7825 )で無料の 20 分医療相談を予約することもできます。 ドクター大串は自然分娩の助産婦の資格も持っていて、妊娠、出産、産後の全てにわたるお世話をいたします。自然療法医として、小児科を含むファミリーケア もいたします。オフィス: 2207 NE Broadway,  Suite 200 (予約制)


 


   
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